ぶちまけ

ハチクロの件でぶちまけです。以下長文、ドラマへの私見が多分に入ってるのでご注意を。原作大好きな人間の話であることもご注意を。


名前が欲しかったのかなぁと思った。あまりに内容を変えすぎている。ほとんどの場面で、ハチクロである必要性が見られなかった。だったら別のドラマとして成立させた方が良かったじゃないかとすら思った。
ハチクロは短期間で不安定で、でもその時間にしか味わえない気持ちが一杯に入ってる。この気持ちだ!って言葉に出来ない、中々表せないもので作り上げられているから、沢山の人が共感したり、こうであって欲しかったとか、色んな思いで原作を楽しんでいたんだと思う。今回のドラマではその言葉に表せない気持ちを出していきたかったと言うのが一つあるんだろう。でもそれでハチクロを安易に使いすぎている。この設定で人物がこう動けばいいんでしょ?こうしたら絶対こんな雰囲気になるでしょ?って言われてるような気がした。
すでに一度人気になった、間違いのない設定を使ってドラマ作れば、人気にならないわけないじゃん、みたいな気持ちがあるんじゃないかと思ってしまった。少なくとも原作があるのなら、それが原作である必要性がしっかりと存在するものを作って欲しかった。原作の雰囲気を本当に大事にするなら、一話目からあんなに急ぐ必要はなかった。人を出すためか話を急ぎすぎていて、自分の気持ちに変化が起こる前に次々とぶつけられて、あーそんなんもあったね、はいはい。みたいに、何かを感じることも無く全てが流れてしまった。それはハチクロじゃないと私は思う。振り返ればこんな短い期間だったんだ、と思ってしまう程の時間の中で起きる、ゆっくりとした気持ちの変化の濃淡を味わう、それが欠片もなかった。
もしハチクロと名が付かなかったのならば、これはこれとして受け止められたかもしれない。テンポが良くってさくさく進む、ちょっとセンチメンタル入ったドラマ、として思えたはずだと思う。ただ名前を付けて話をいじったために、そう思うことは一切無かった。イケ面くらいいじったら、全くの別物として成立してる。のだめみたいに徹底して原作に忠実に作ったら、原作とはまた違った雰囲気で、もう一度原作の楽しさを味わえるものになる。そのどちらにもならなかった。だから感じたのは少しの楽しさと大きな失望感だった。


演じてる人達がどうとかじゃなく、ただその制作側に失望した一話目だった。これからも見ていくとは思うから、この気持ちが変化しますように。